元彼に連絡したくなるのはなぜか

元彼に連絡したいと思うとき、多くの方が「自分がまだ好きだから」「自分が弱いから」と考えます。けれど、思い出す回数の多さは、気持ちの強さだけで決まるわけではありません。記憶の仕組みそのものが関わっている可能性があります。

心理学には、達成できたことよりも、達成できなかったことのほうが記憶に残りやすいという現象が知られています。これをツァイガルニク効果と呼びます。話の途中で切られたドラマの続きが気になるのと、同じ仕組みです。

恋愛でいえば、納得して終われた別れと、途中で切れてしまった別れでは、記憶への残り方が変わります。言いたいことを言えなかった、理由がわからないまま終わった。そういう別れ方をしたとき、ツァイガルニク効果が働き、相手のことを思い出しやすくなります。

未練じゃない、まだちゃんと好きなだけ。元彼が忘れられない理由をあらわす言葉
戻りたいわけじゃない。ただ、あの人が元気かどうかだけ知りたくなる。

ツァイガルニク効果とは

ツァイガルニク効果とは、完了した課題よりも、未完了の課題のほうが気になって思い出しやすいという現象です。心理学者ブリューマ・ゼイガルニクが1927年に発表しました。

背景には、クルト・レヴィンの考え方があります。人は目標に向かって行動するとき緊張が生まれ、その緊張は目標が達成されると解消される。逆にいえば、達成されないかぎり緊張は残り続けるということです。ゼイガルニクは、この緊張が記憶の残りやすさに影響することを実験によって示しました。

ここで大切なのは、思い出してしまうことがあなたの弱さの証拠ではないということです。人はもともと、やり遂げたことより、やり残したことをよく覚えているようにできています。

初出文献:Zeigarnik, B. (1927) Das Behalten erledigter und unerledigter Handlungen. Psychologische Forschung, 9, 1-85. 英訳は Zeigarnik, B. (1938) On finished and unfinished tasks. A Source Book of Gestalt Psychology, 300-314.

連絡していい時期の見きわめ方

元彼に連絡したいと思ったとき、送ってよい時期に決まった正解はありません。ただ、判断の材料になる考え方が2つあります。

ひとつは冷却期間です。冷却期間とは、別れたあとしばらく連絡を取らずに置く時間のことをいいます。この間に、あなたも相手も、別れた直後の感情から少し離れることができます。別れてすぐに送ると、相手は別れたときの気持ちのままあなたの言葉を受け取ることになりやすく、内容を読む前に身構えられてしまいます。

もうひとつは、いま相手のSNSをどれくらい見ているかです。別れを経験した464名を対象にした研究では、元恋人のSNSを頻繁に見ている人ほど、別れのつらさ、否定的な感情、相手への恋しさが強いままだったと報告されています(Marshall, 2012)。メッセージを送ったあとは、相手の反応が気になってSNSを確認する回数が増えやすくなります。いまの時点でSNSを見る頻度が高い方は、まず見る回数を減らしてからメッセージを送ったほうが、送ったあとの自分の気持ちが安定しやすくなります。

このページの診断は、この2つを組み合わせて目安を出しています。いま動くか、もう少し待つかを決めるときの材料として使ってみてください。

参考文献:Sbarra, D. A., & Emery, R. E. (2005) The emotional sequelae of nonmarital relationship dissolution. Personal Relationships, 12, 213-232. / Sbarra, D. A. (2006) Predicting the onset of emotional recovery following nonmarital relationship dissolution. Personality and Social Psychology Bulletin, 32, 298-312.