ビジョンボードとは何かを説明します ビジョンボード とは、叶えたい未来を写真やことばで1枚にまとめたもののことです。コルクボードや画用紙に貼る方法のほかに、スマートフォンの待ち受け画面にする方法もあります。ドリームボードと呼ばれることもあります。
作り方は簡単です。こうなりたい、と思う写真を雑誌やネットから集めて、1枚の紙にまとめて、毎日目に入る場所に置きます。ただし、写真を貼るだけではうまくいかない ことがわかっています。なぜうまくいかないのかと、どうすればいいのかを、このあと順番に説明します。
叶えたい未来をことばにして、見える場所に貼ります。 写真を貼るだけだと、がんばらなくなることがあります こうなりたいという写真を集めて、毎日ながめていれば夢に近づける。そう思いたくなりますが、実はそうとも限りません 。
心理学者のエッティンゲンとマイヤーが2002年に発表した研究があります。就職活動をしている卒業生、片想い中の学生、試験をひかえた学生、手術を受けた患者という4つのグループを調べたところ、こうなりたいなと気持ちよく想像していた人ほど、そのあと実際には努力しなかったし、結果も出なかった 、という報告です。
出典:Oettingen, G., & Mayer, D. (2002) The motivating function of thinking about the future: expectations versus fantasies. Journal of Personality and Social Psychology, 83(5), 1198-1212. PubMed
つまり、きれいな写真をながめて気分がよくなるほど、そこで満足してしまって、肝心の行動が減ってしまう ことがある、ということです。ビジョンボードを作ったのに何も変わらなかった、という話を聞いたことがある人もいるかもしれません。原因のひとつは、ここにあります。
写真といっしょに、うまくいかないときの対策も書いておきます では、どうすればいいのか。行動のほうにも研究があります。ピーター ゴルヴィツァーという研究者が1999年にアメリカの心理学の学術誌で示した考え方です。もしこういうことが起きたら、そのときはこうする 、という形で前もって決めておくと、決めた目標を行動に移しやすくなる、というものです。やることの中身よりも、いつ、どこで、どうするのか を先に決めておくことが大事だとされています。
出典:Gollwitzer, P. M. (1999) Implementation intentions: Strong effects of simple plans. American Psychologist, 54(7), 493-503. doi:10.1037/0003-066X.54.7.493
ビジョンボードにあてはめると、こうなります。写真の下に、もし時間がとれない日が続いたら、やることを10分でできる大きさに分ける 、と書き添えておきます。この一行があるだけで、その1枚のボードは、ただ見て満足するだけのものから、夢を叶えるためのツールに生まれ変わります。下にある5つの質問に答えて写真をえらぶと、この一行まで入った待ち受け画像ができます。
作り方を5つの手順で説明します ここからは、紙のボードで作るときの手順です。上で作った待ち受けのことばを、そのまま手順2と手順4に使えます。
手順1 書き出します 恋愛と仕事とお金と暮らしと人生の決断という5つの分け方で、叶えたい場面を思いついた順に書きます。数はそろえなくてかまいません。 手順2 場面にします ものの名前ではなく、叶ったあとに自分が何をしているのかを、ひとつの文にします。バッグが欲しい、で止めずに、そのバッグを持って好きな場所に出かけている、というところまで書きます。 手順3 いつまでかを決めます 3か月後なのか、半年後なのか、1年後なのかを決めます。いつまでかが決まると、今日やることの大きさも決まります。 手順4 じゃまと行動を書き添えます いちばん起きそうなじゃまをひとつと、それが起きたときにとる行動をひとつ、書きます。ここを飛ばすと、ながめるだけの1枚になってしまいます。 手順5 置き場所を決めます 朝いちばんに目に入る場所に置きます。玄関や、洗面所の鏡の横や、スマートフォンの待ち受け画面がよく使われています。
何を書けばいいのか、書き出し方から説明します 手順1でつまずく人がいちばん多いので、くわしく説明します。書くものが決まらないときは、先にやりたいことリスト を作ると早く進みます。100個そろえる必要はありません。書けた数が、そのままいまのあなたの現在地です。
いますぐできることを書きます。今日の入浴剤を変える、行ったことのない店でお昼を食べる、などです いつか行きたい場所を書きます。海の見えるところ、まだ行ったことのない国、行けないままになっている街、などです 身につけたいことを書きます。話せるようになりたい言葉、覚えたい技術、などです 欲しいものを書きます。名前だけで止めずに、それを手にしたあとの場面まで書きます やめたいことを書きます。夜ふかしをすること、返事に迷って既読のままにしてしまうこと、などです 書き終えたら、その中から叶ったときにいちばん生活が変わるもの を12個だけ選びます。1年は12か月なので、12個にしておくと1か月にひとつずつ振り分けられて、あとから見返しやすくなります。
恋愛と仕事とお金と人生の決断、それぞれの書き方をあげます ここからは、いまあなたが抱えている悩みごとに、何を書けばいいのかを分けて説明します。
恋愛のことは、こう書きます 相手の名前や写真ではなく、叶ったあとの関係の様子 を書きます。休みの日にふたりでいる場面、連絡の返事を待たなくていい状態、自分が無理をしていない表情、といったものです。じゃまになりそうなことを書く場所には、返事が来ない日が続いたら、と書いておきます。そう書いておくと、実際にその日が来たときに、自分が落ち着いていられます。
仕事のことは、こう書きます 職種の名前だけだと何をすればいいかわからないので、その仕事をしている日の一日 を書きます。何時に起きて、どこで働いて、終わったあと何をしているのか、そこまで書きます。転職を考えているなら、応募の締め切りと、その前にやることをひとつだけ書き添えます。
お金のことは、こう書きます 金額だけでなく、その金額があるとできること を書きます。実家に帰れる回数、無理なときに断れるようになる仕事の量、備えとして置いておける金額、といった形です。ここは数字が入るところなので、いつまでかを決めると、そのまま計画に変わります。
人生の決断は、こう書きます 進むのか、とどまるのか、迷うことがあります。そのときは、どちらを選んだ場合の自分も一度は見ておく ために、選んだあとの場面を2つ並べて書く方法があります。並べてみると、自分の気持ちがどちらに向いているのかが見えてきます。
作ったあと、続けるための置き場所を決めます 作った当日は、いちばん気持ちが高い日です。そこから先は、放っておくと見なくなります。だからこそ、すでに毎日見ているものの横 に置くのがいちばん確実です。洗面所の鏡や、玄関のドアや、パソコンの起動画面や、スマートフォンの待ち受け画面です。新しいことを増やすのではなく、いまやっていることに重ねてしまいます。
月に一度、書き換える日を決めておくのもおすすめです。叶った文には日付を書いて残しておきます。変わらなかった文は、願いのほうが古くなっているのか、それとも行動が大きすぎるのかを、自分で確かめます。作り直すことは失敗ではありません 。
※ このページで紹介している研究は、思い描き方と行動の関係についての心理学の知見です。ひとりひとりの願いが叶うかどうかを予測したり、約束したりするものではありません。12個の文を作る仕組みは、やりたいことを整理するための道具としてお使いください。